宝物殿安置

滝山寺

瀧山寺縁記
鎌倉時代

瀧山寺縁記

 瀧山寺の沿革や来歴を諸堂・諸社の修造と法会勤修を中心に記録等に基づいて客観的に記したもの。

 成立時期は十四世紀初頭とみられ、奧書によると文和四年(1355年)に権小僧都顕甚が「古本」を書写、慶長十三年(1608年)に暁海法印が顕甚本を書写、寛永二十年(1642年)に円海、正徳三年(1713年)に亮慶が暁海本を書写したとされ、現在瀧山寺には円海本と亮慶本が伝来している。本書は円海本で、紙数三十七枚、全一冊。

 内容は三つの部分に分かれ、冒頭に瀧山寺草創に関する部分があり、役小角と山岳信仰の霊地としての瀧山寺との関連が述べられ、霊地たる所以を示す伝承を記している。

 次は仏泉永救の中興に始まる諸堂の創建等の来歴を記す部分で、寺の記録・文章・銘文・口伝などをもとに、年紀、事件、人物、場所等が詳細に記されている。

 最後は寺の興隆に尽力した人々の命日ごとに温室(湯殿)にて功徳湯を行ったことを記す部分で、熱田大宮司家・足利家・足利氏被官などに関する多くの記述がある。平安末期から鎌倉末期に至る西三河地域の歴史を物語る貴重な資料である。
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